がん治療に伴う口腔合併症
先にも述べましたが、頭頸部がんの放射線治療を受けている場合、100％に何らかの口腔合併症が発生します。また、化学療法でも40％に口腔合併症が発症します。そしてその約半数は、口腔粘膜炎が原因で化学療法のスケジュールや投与量の変更を余儀なくされています。
重症の口腔粘膜炎になると栄養状態が悪化し、敗血症になったり、がん治療成績が低下します。このため口腔粘膜炎は「がん治療の質を最も低下させる有害事象の一つ」とされています。
口腔合併症は口腔粘膜炎だけでなく、味覚障害、口腔乾燥、口腔粘膜の感染症も含んでいます。中でもカンジダ性口内炎は自覚症状が少ないため、注意して見過ごさないようにしなければいけません。
（静岡県立静岡がんセンター 大田洋二郎先生の文献から）
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