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特集:全身と歯

歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に

〜厚労省研究班が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを分析〜

 咀嚼能力の低い人は、認知症の発症リスクが高くなる。
日本福祉大学の近藤克則教授、神奈川歯科大学の山本龍生准教授らが、平成22年度厚生労働科学研究として行った分析で明らかになりました。
1月21日に札幌市で開かれた第21回日本疫学学会学術総会で発表されています。
調査は、愛知老年学的評価研究(AGES)プロジェクトのデータを基に、2003年10月時に要介護認定を受けていない65歳以上が対象で、4年間追跡できた4425人について、要介護認定を伴う認知症度U以上が発症するまでの各日数や歯数、咀嚼能力、かかりつけ歯科医院の有無との関係を検討しました。
 結果は認知症発症者の割合は、歯数が少ないほど(図1)、咀嚼能力が低い人ほど(図2)、そしてかかりつけ歯科医院がない人ほど(図3)高くなっていました。グラフの縦軸はいずれも、認知症でない人の割合をしめしたものです。








 年齢、治療疾患の有無、生活習慣(飲酒と喫煙)を考慮し、リスクの度合いを計算すると、
20歯以上の人に対して、歯がほとんどなく義歯未使用の人の認知症発症リスクは1.9倍、
なんでも噛める人に対して、あまり噛めない人のリスクは1.5倍、
かかりつけ歯科医院のある人に対する、ない人のリスクは1.4倍でした。


歯がなかったり、噛めなくなったりすることで、認知症発症リスクが高まることが示されました。


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